delirious thoughts

by Kentaro Kuribayashi

Kindle Voyageを購入した

今日発売のKindle Voyageが早速届いた。

Kindle Voyage届いた

Kindleは、Fire初代 → Touch → Paperwhite初代と使ってきて、いまは

で読んでいる。なぜ分けているかというと、アカウント統合がうまくいかなかったからというのと、jpで買うのは漫画もあるのでという理由。今回Voyageを買ったので、jpについても書籍はVoyageで読むことにする。

で、早速空き時間に数十分ほど本を読んでみたのだけど、Paperwhiteとくらべて2倍ぐらい高いけど、なんでそんな高いのかはよくわからなかった。

  • Paperwhite初代に比べると反応はやいのはいい
  • ページ送りのハードウェアボタン(?)は悪くはないけど、なくても困らない
  • 他なんかいいところあるの?

という感じで、本しか読まないなら現行モデルのPaperwhite買うほうがいいように思う(2倍近くの金額出しても読書体験を向上させたい!というならVoyageがいいと思うけど)。僕が気付いてないだけで、他になんかいいことあるんですかね……。解像度が高いので、漫画読むにはいいだろうけど、上述の通り、漫画はiPadで読むつもりなので、自分的には関係ないかなあ。

以上、ファーストインプレッションでした。

追記

上記だけだと、Voyage買う必要なし、みたいに読めるかもなので追記。2倍近く価格差があるわけだけど、それに見合うほどすごいかというとそうでもないように思えるというだけで、1万程度の違いとかどうでもいいからいいものがほしい、ということならば、十分買いだと思う。実際、使ってみるとPaperwhiteよりいいのは明白だし、僕は本を暇さえあれば読んでいるので、読書体験を最適化するためなら価格差は気にならない(だからすぐに買ったわけだし)。

Kindle Voyage Wi-Fi、キャンペーン情報つきモデル

Kindle Voyage Wi-Fi、キャンペーン情報つきモデル

Kindle Paperwhite

Kindle Paperwhite

老害について

老害とは、ある集団の中で相対的に年齢や立場が上位にある者が、経験に基づく判断にのみ過度な信を置くことにより発生する弊害のことです。わかりやすくいうと、年齢を重ねることにより頭が悪くなって、抽象的・論理的思考ができなくなり、経験的にしか物事を判断できなくなってしまうということです。

具体的にそれは、純粋なスペック的な意味での能力だとか頭のよさ、瞬発力、発想の柔軟さ、考えの実直さなど、若いひとが主に持つ特質に敬意を払えないという症状として現れます。そこで勝負すると必ず負けるという無意識による、防衛反応です。

経験は、よい判断にとって重要なことではあります。しかしそれは、どんなひとでも、ただ生きているだけで増えていきます。もちろん、その量や質にそのひとの人生が反映されるわけですが、ま、ひとひとりの人生なんてたいしたものではありません。

また、経験に基づく判断は、反証不可能です。正確には、経験に基づく判断が、反証可能な形で示されることはありません。そのような判断に対しては、受け入れるか拒絶するかのどちらかを採るしかなく、議論によって判断を深めることができません。

なぜ老害という現象が起こるのでしょう。一般に、ひとは年齢を重ねると、

  1. 脳のスペック的な意味での思考力が衰える
  2. 社会的責任が増えてくるので、判断速度をあげなければならなくなる

1については、これはもうしかたがないことです。ただひとは、年齢を重ねて脳が弱くなるのを、経験に基づく直感によって補う。それが歳をとることのよさでもあるし、成長ともいうのでしょう。

また、年齢を重ね、関わるひとや物事が増えるとともに責任が増え、年々判断すべきことも増えていきます。そうすると、ひとつのことに対してじっくり取り組んで、熟慮を重ねるというのも難しくなってきます。経験に基づく直感によって、判断速度をあげなければなりません。

そのようなこともあって、ひとは老害へと傾いていくわけです。そしてそれは、単に悪いことであるとばかりはいえません。それはそれで、年齢を重ねるという変化への対応であるわけです。ただ、だからといって考えるのをやめ、経験的判断のみに頼るのは単なる退廃です。

どうすれば老害に陥ることを防げるのでしょうか。たとえば以下のような取り組みが役立つかもしれません。

  1. 経験的判断を、議論可能な要素に分解する。言語化する。
  2. 他者の経験・思考に興味を持つ。触れる
  3. 常に苦手な分野に取り組み、克服する。

1について、先述の通り、経験に基づく直感的な判断には、速度の面でメリットもあるわけです。なので、それを反証不可能な形でしか提示できないことに問題があります。よりよい判断のために、それをできるだけ分解し、言語化することで、他者にとっても役立つものになるし、思考の訓練にもなるでしょう。

ひとは誰しも、自分の経験や直覚に大いに信を置くものです。それらがそのひとを形作ってきたのだから、当然のことではあります。しかしそれが、年齢を重ねたからこその他者を容れる懐の深さにつながらないなら、単なる硬直です。小説や哲学、ドキュメンタリ、数学などに親しみ、他者の、直感の及ばない経験・思考に触れることで、寛容さを養いたいところです。

最後に、経験を積み重ね、得意なものをより得意にすることで自己の強みとすることは、それはそれで重要ではありますが、安易なことでもあります。常に苦手分野に取り組み、自らが最弱となる場所(物理的なそれに限らず)を探し、克服を図ることこそが、老害予防の最たるものではないでしょうか。

2014年10月に読んだ本をブクログでふりかえる

今月は39冊。『GUNSLINGER GIRL』を大人買いして全巻読んだりしてたので、数字としては多く見える。

アメリカの人々によるIT系のノンフィクション3冊『ゼロ・トゥ・ワン』『How Google Works』『フラッシュ・ボーイズ』(これをIT系というのはちょっと違うかもしれないが、僕的には技術的な側面に興味を惹かれるのでそういう感じ)は、どれもそれぞれに評判に違わない面白さ。ピーター・ティールのガチなリバタリアンとしての面からくる「競争を避けるためには?」という発想は、表面的にはリンスタDISに見えるものだが、深みが違う。

最近読まなくなってしまった系の本でいうと、『岸信介の回想』あたりが久々のそれ系ジャンル。戦後の政治の世界よりも、戦間期を商工省の官僚から商務次官、大臣にまで登りつめたあたりの話に、岸に対する興味があるのだけれども、回想だとなかなかやったことの具体的内容まではわからない。しかし、この頃の政治家の鷹揚な話しぶりは面白い。

kentaroの本棚 - 2014年10月 (39作品)
短夜明かし
佐々木中
読了日:10月07日
評価3

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エンジニア/エンジニアリングのビッグピクチャ

社外のある技術者たちと「会社のエンジニア、あるいは、エンジニアリングがどうなっていくべきかというビッグピクチャみたいなものがあるか?」という話になった。その場ではいろいろな内容が出てきたわけだが、不詳わたくし、技術責任者という役職を務めている者としてどう思うかというと、そんなにかっこいいことを考えているわけではなかったりする。実際にかねがねいっていることがあるとすれば:

  • 変化に対応できるよう、エンジニアとして成長しつづけよう
  • 他のひとにない、何か自分が一番の得意分野を作ろう

というぐらいである。このフレーズだけでいえば、なんのことはない、いってみれば当たり前、というか、誰でも思いつくような話だ。しかし、ことはそう簡単ではないと思っている。

ひとくちに「成長」といったところで、どれぐらい成長すればいいのかという問題がある。一番わかりやすい基準は、我々は上場企業であるということからいうと、市場の期待成長率を上回ることである。その上で、個々のエンジニアとしての能力の総和としての組織能力が、事業としての成長にどれぐらい寄与するかという問題もある。つまり、エンジニアリングに関する組織能力を業績に変換する際の歩留まりがどれだけあるかという問題だ*1

以上をまとめると、我々は以下の不等式を満たす必要がある*2:

エンジニアリングに関する成長率 × 歩留まり > 市場の期待成長率

歩留まりに関しては、開発プロセスの改善や、そもそも、ビジネスの構想・実行の精度によるが、これは直接にはエンジニアリングにおける成長の問題ではないので、ここでは議論しない(興味がある向きは、開発プロセスという面において我々が書いたWEB+DB PRESS Vol.78を読んでいただきたい)。その歩留まりをかけてなお市場の期待成長率を上回るというのが、上記にいう「成長」の意味するところである。

その「市場の期待成長率」がどれぐらいかというのを公開情報に基いてここで計算してもよいが、それはそれでいろいろ問題があり得るので止す。「エンジニアリングに関する成長率 × 歩留まり」がそれを上回るにはどれほどの「成長」が必要かは、少し考えただけでもそれなりの努力を要することは想像できるだろう。

という前置きをした上で、適当な数字を当てはめて考えてみる。上記の式を変形すると:

エンジニアリングに関する成長率 > 市場の期待成長率/歩留まり

その上で、以下のような前提があるとする:

  • 歩留まり: 50%
  • 期待成長率: 20%(しつこいですが、あくまでも例です)

これを上記の式にあてはめると:

エンジニアリングに関する成長率 > 20%/50% = 40%

となる。「変化に対応できるよう、エンジニアとして成長しつづけよう」というフレーズには、そのような含意が込められている。エンジニアのひとりひとりの問題として、自分の能力が前年比で140%になっていると自信を持って述べるのはなかなか難しいことだろう。「成長しつづけよう」というのは、体裁の良いキャッチーな「ビッグピクチャ」には見えないかもしれないが、それなりにチャレンジングな課題であると思う。

*1:「歩留まり」というと、1以下を取るイメージだが、実際には1以上、すなわち組織能力をスケールさせることもあろう。いい言葉を思いつかなかったので、とりあえずこの言葉を用いている。

*2:他に職種がたくさんあるのにエンジニアリングのみが成長率に寄与するかのような前提はかなり乱暴ではあるが、乱暴なぐらい高い目標は、それはそれで文脈上よかろうとは思う。

ペパボのエンジニアたちとランチしながら「ペパボってぶっちゃけどうよ?」って話せる取り組みを始めます

エントリー前に社内の雰囲気を知ってもらうための新たな取組み、『ペパランチョン』制度を開始いたしました! | お知らせ | ニュース | GMOペパボ株式会社」というわけで、エンジニア採用における新しい取り組みを始めました。

 GMOペパボでは、エンジニア中途採用に興味のお持ちの方を対象に、採用制度における新たな取組み『ペパランチョン』を開始いたしました。

『ペパランチョン』は、求人媒体やWebサイトだけではなかなかお伝えすることが難しい社内の雰囲気や社員の働き方を、エントリー前に知っていただくための制度です。

「ペパボのエンジニアってどんな技術に興味があるの?」「“もっとおもしろくできる”ってどんなことやるの?」などのエントリー前に頭に浮かぶ素朴な疑問に、ペパボエンジニア社員が一緒にランチをしながらお答えいたします。

ペパボのエンジニア採用に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽に『ペパランチョン』制度をご利用ください!

というわけで、ペパボに少しでもご興味のある方は是非コンタクトください。

2014年9月に読んだ本をブクログでふりかえる

今月は19冊。

高橋伸夫『殻―脱じり貧の経営』を読んで、その主張するところ自体にも感銘を覚えつつも、ENIACまわりの、明らかに自分の趣味だろという詳細な話に刺激されて、古い計算機・ソフトウェアへの興味が再燃してしまった。そのあおりで『コンピューター200年史―情報マシーン開発物語』などを読んだり、古書をあれこれ買い集めたりした。面白い。

そんな折、『アンダースタンディング コンピュテーション―単純な機械から不可能なプログラムまで』をいただいたので早速読んだところ、これまでなかなか理解できなかった計算理論(それもまた、上記の計算機たちと同じ時代の産物だ)についてなんとなくわかった気がして、とてもよかった。そのあたりは書評に書いた

藤村龍至さんの初の単著『批判的工学主義の建築:ソーシャル・アーキテクチャをめざして』は、超線形プロセスの頃からさらに発展を続ける思考・実践について、状況に対する認識と著者の問題意識の深化とともにまとめて読めてよかった(それぞれについてはあちこちで散発的に読んだ内容ではあったものの)。

その他、『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』はあんまり期待せずになんとなく読み始めたらすごく面白くて得した気分がしたし、『ビジネスモデル全史』は前作の『経営戦略全史』に続いて大量の情報が要領よく紹介されていてよかったと思う。

kentaroの本棚 - 2014年09月 (19作品)
のりりん(9)
鬼頭莫宏
読了日:09月28日
評価3

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型システムの意義(TAPL第1章より)

『アンダースタンディング コンピュテーション』に続いて、『型システム入門―プログラミング言語と型の理論』を読む。

型システムの定義

システムが仕様通りに動作するかどうかを保証する形式手法と呼ばれるものにはいろいろあるけど、利用が難しい。もっと簡単に使えるような軽量形式手法として普及しており、確立されてもいるのが型システムである。

型システムとは、プログラムの書く部分を、それが計算する値の種類に沿って分類することにより、プログラムがある種の振る舞いを起こさないことを保証する、計算量的に扱いやすい構文的な手法である。

(本書 p.1より)

型システム(型理論)には、論理学・数学におけるいろんな理論からの流れもあるけど、本書では、上記の定義にある通り、プログラムの動作に関する推論のためのツールという側面にフォーカスしてみていく。また、型システムを、プログラミングにおける項を値の性質によって分類し、実行中にそれらの項がどう振る舞うかの静的な近似を求めるためのものとみなす。

型システムの効用

型システムで何ができるかについて、以下6つを挙げる。

  1. エラーの検出
  2. 抽象化
  3. ドキュメント化
  4. 言語の安全性
  5. 効率性
  6. その他

エラーの検出

ある種のエラーを早期に検出できること。具体的には、異なる型どうしで計算しようとしてしまう不注意のようなものから、科学計算で単位を勘違いする概念上の誤りのようなことまで。ここで「ある種の」といっているのは、たとえば、ゼロ除算であるとか、配列へのアクセスが範囲内に収まっているかといった実行時のエラーなどのような、実行時エラーを除く、ということ。

ただ、このメリットを享受するには、プログラマが適切にデータ構造を型付けして表現しなければならない。たとえば、複雑なデータ構造をなんでもリストで表現してしまっては、せっかくの型システムが活かされなくなってしまう。

抽象化

大規模なシステムをモジュール化するに際して、型がモジュール(クラスなども含む)間のインタフェイスを曖昧さなく定義するのに役立つ。また、型がもたらすそのような抽象性により、実装と切り離して設計や議論を行うことができる。

ドキュメント化

設計者にとってのみならず、プログラムを読む側にも型は有用である。コメントと違い、コードに埋め込まれ、コンパイルするたびに検査されるため、実装とドキュメントとに齟齬をきたすこともない。

言語の安全性

言語の「安全性」とは何か?

平たく言えば、安全な言語とはプログラミングの最中にうっかり自分の足を撃つことが不可能な言語であると定義できる。

この直感的な定義を少し洗練すれば、安全な言語とは自らがもたらす抽象を保護するものであるといえるだろう。

具体的には、Cのように、メモリの抽象としての配列を提供しつつも、配列の範囲外へのアクセスが可能であるような言語は「安全」ではないということ。

ただし、静的型安全性がすなわち言語の安全性というわけではない。動的型検査を行う言語であっても、実行時に安全でない操作をチェックすることで、ここでいう安全性を達成することができる。

効率性

コンパイラは、型情報により適切な機械語命令を用いることができ、また、前述の動的検査を除去することができる等、最適化を行える。

その他

プログラミングだけでなく、ネットワークのセキュリティ、プログラムの解析ツール、自動定理証明、DTDXMLスキーマといった分野に、あれこれと応用されている(よくわからない)。

型システム入門 −プログラミング言語と型の理論−

型システム入門 −プログラミング言語と型の理論−

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