Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

2018年4月5日

夕食を「いまここ」でとりつつ、IMA MagazineのバックナンバーをAmazonで全部注文した(22冊)。Vol.23は書店で買ったので、パラパラ眺める。foam magazineもとてもよいのだが、この雑誌もいいなあ。「立体化する写真」ということで、写真によるインスタレーションや立体的なコンポジションがいろいろ紹介されている。写真の束をキャンバスに重ねていくspewの製作模様の紹介それ自体を作品化した写真もあり。どれもとても面白い。

アート戦略/コンテンポラリーアート虎の巻』でも後藤繁雄さんが書いているが、2010年代に入ってからの写真は本当に面白い。コンテンポラリーアートとしての水準はもちろんのこと、単純に美的な鑑賞としても良い体験をもたらしてくれる。デジタルなレタッチ技法の進化が、フィルム写真の現像プロセスにフィードバックされて、むしろデジタルにはない物質であることの強みを活かした作品が増えているのも良い。デジタルなものも、foam No.49で紹介されていたJannemarein Renoutのスキャナーを用いた絵のようなカラフルな写真など、デジタルな機材のあらたな利用による美学の創出もある。

2018年4月4日

新しい業務内容をパシパシ進めていく日々。夜は、エクスクルーシブな勉強会で、某社の組織マネジメントについて、元社員の話を聞く。あれこれ聞きたいことがあったので、ついついたくさん質問してしまったが、もっと聞きたいことはあるのだった。

MIKKELLER TOKYOでビールを飲んだあと、代官山蔦屋書店へ。横田大輔さん関連の写真集が思いのほかたくさんあって買おうと思ったけど、買うなら全部、買わないなら買わないみたいな気持ちなので、しかし、買うとなるとそこにある分だけでも5, 6万ぐらいになりそうで、迷う。代わりに、間違いなく素晴らしい「HANON (IMA photobooks)」を買う。あと、foam magazineが置かれていたので、No.48, 49を購入。

帰宅して、買ってきた本を眺める。HANONについては、水谷吉法さんのサイトでいくつか観られるのだが、写真集でじっくり眺めると、それはそれでもちろん全然違った感興を覚えるのだった。ほんと素晴らしい。タイトル通り、大量発生した川鵜が電線に止まっている様が、HANONの楽譜のように見えるという、シンプルな着想に基づく写真集なのだが、抽象的でいて、かつ、美しい。また、ジョン・ケージの譜面も思わせるところがある。理想的な写真集だと思う。

その後、foam magazineを2冊ともパラパラ眺める。いまのところは、何かの対象物を撮影するような写真に、自分で作るものとしては興味が持てないのだが、この雑誌に載っているのはそういう意味でも新しいものが多くて、すごく刺激的。今回買ったNo.49およびNo.48など、サイトでその内容の1/3ぐらいをフルスクリーンでプレビューできる。

そういや、先日TIME&STYLEで買った中里伸也さんの絵について、GW明けの納品のはずがもっと早まりそう、ついては、送付する際に作家さん本人も立ち会える日があるので都合を教えてくれとギャラリーから連絡があった。提案のあった日程が平日であることと、それはともかくとして、いま住んでいるところはとても絵を飾るような感じのとこではないし、ひとをお迎えするようなとこでもないので、お断りの連絡を入れた。当該作家さんとは、別の機会にお話したいものだ。

2018年1月〜3月に読んだ本

1月は16冊、2月は13冊、3月は26冊で、合計55冊。

今年は考えていることを論文にまとめようと思って、そのための文献に取り組んでいる。また、芸術批評、美術史関連の本も集中的に読んでいるところ。

1月

kentaroの本棚 - 2018年01月 (16作品)
アースダイバー
アースダイバー
中沢新一
読了日:01月03日
評価4

オンナの値段
オンナの値段
鈴木涼美
読了日:01月21日
評価4

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2月

kentaroの本棚 - 2018年02月 (13作品)
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3月

kentaroの本棚 - 2018年03月 (26作品)
美術手帖2018年3月号
美術手帖2018年3月号
-
読了日:03月10日
評価3

現代アートの巨匠(BT BOOKS)
現代アートの巨匠(BT BOOKS)
-
読了日:03月17日
評価3

Giorgio Morandi 1890-1964
Giorgio Morandi 1890-1964
-
読了日:03月24日
評価5

写真講義
写真講義
ルイジ・ギッリ
読了日:03月30日
評価5

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2018年4月3日

若者たちとランチ。いろいろあるんだなあと思う。

現代写真論 新版 コンテンポラリーアートとしての写真のゆくえ』を読む。写真をコンテンポラリーアートの文脈に位置づけるという本。いくつかの分類で、ここ3、40年ほどの写真を紹介している。それ自体は啓発的なのだけど、初版が刊行されたのが2004年ということもあり、「現代」の写真論としては、はやくも古びているという印象。後藤繁雄さんも書かれていたが、アップデートした本が待たれるところ。特に、デジタルな手法による写真がほぼ紹介されていないのは、もはやあり得ないだろうと思う。

吐写物に写真を追加したり、THE GALLERY用のものを作ったり。

2018年4月2日

新卒入社の方々がやってきた。夜は、入社式と歓迎会。

同僚とTOSHABUTSUというアートユニットを作るという話になり、さっそくサイトを作り、作品を発表した。こちらはTHE GALLERYとは別に、アーティストコレクティブとしての活動であり、また、カジュアルにアウトプットをしていく場。

TOSHABUTSUという音だけ聞くと、一瞬「盧遮那仏とかの仲間かな?」と思えて尊いニュアンスがあるし(「断捨離」メソッド)、アウトプットをもっと「吐瀉」ぐらいの感じで気軽に捉えてもいい、そんな意味のこめられた名前。また、漢字で「吐写物」と書くことにし、新たなコンセプトとすることは、アラーキー的な造語感覚の引用でもある。

ってのと、あとはspewがめちゃかっこいいので、そこからパクったというのもあるな……。

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2018年4月1日

今日が最終日のブリューゲル展へ。ピーテル・ブリューゲル1世から始まり150年にわたるブリューゲル一族(曾孫の世代まで)による画業を総覧したもの。風景や農民たちを描いた絵もよいのだが、やっぱりヤン系列の花の絵(特に「籠と陶器の花瓶に入った花束」のなまめかしさ!)、さらにはヤン・ファン・ケッセル1世の、大理石に描いた虫の絵にときめいたなあ。あれ、めちゃほしい。売ってくれないかな〜、いくらかな〜などと思いつつ、ポストカードを購入した。

続けて、プラド美術館展へ。プラドのコレクションによる、画家たちが画業を自由学芸のひとつとして打ち出し始めた17世紀のスペインの絵を中心にした企画。のっけから、フランシスコ・デ・スルバランの「磔刑のキリストと画家」の静謐さに心打たれる。ついさっき見たブリューゲル一族からもいくつか出展されていて、ヤン1世の「視覚と嗅覚」に、絵画への強い自負を感じる。また、ルーベンスの「アンドロメダを救うペルセウス」の女性に、後期ルノアールの女性の描き方の元ネタを見たり、アレハンドロ・デ・ロアルテの「鳥売りの女」の描く、足を縛られて逆さ吊りされた鳥の迫力に感嘆したりする。

銀座へ。GINZA SIX内の蔦屋のスタバでサラ・ムーンの写真プリントと写真集を売る展示がされていた。シャネルのギャラリーでもいまやっているのだが、なんかそれだけ見て、そっちの方をみるのはもういいかなという気持ちになってしまう。悪くはないんだけどなあ。本屋で、ひととおり画集などを見て回る。ハンマースホイの2008年の図録がほしかったのだが、プレミアがついて1万円以上で売られていて、やめた。その他、ロバート・ライマンの画集などもほしいなあ。と思いつつ、何も買わずに出る。

さらに広尾から元麻布のカイカイキキギャラリーへ。ヴァージル・アブロー個展“PAY PER VIEW”を観る。うーん、意図はよくわかるのだけど、アートワールドへのアイロニーだけでユーモアがないというか。さほど面白いとは思えなかったなあ。

渋谷の丸善ジュンク堂書店で『現代写真論 新版 コンテンポラリーアートとしての写真のゆくえ』と、美術手帖のバックナンバーを2冊買い、Goodbeer Faucetsでビールを飲みつつ読む。現代写真を特集した「美術手帖 2016年9月号」はとてもよかった。巻頭の横田大輔さんを筆頭に、写真の新しい表現を切り開いている人々がたくさん紹介されていて、「こんなこともできるんだ!」と驚くばかり。さらに、読みさしの『アート戦略/コンテンポラリーアート虎の巻』を読了。最初はアートワールドがどうちゃらみたいなのに、『現代アートとは何か』を読んだ直後なので食傷気味だったのだが、特に後半の写真の可能性を語るあたりが、とてもエンカレッジングでよかったなあ。

その関連で小山泰介さん水谷吉法さんのサイトを眺める。特に、水谷さんの川鵜のシリーズにときめく。電線にとまるたくさんの鳥が、譜面のような抽象性をもたらすという、新しい感覚!ときめく〜。

2018年3月31日

有明で行われるTOMORROWLANDのセールへ。ずいぶん盛り上がっている。しかし、メンズは全然いいのなかったなあ。結局何も買わずに終わり。それはともかくとして、有明だとかあのあたりのエリアは、いついっても薄ら寒い気持ちになるなあ。早々に恵比寿へ。POSTで、田中義久さんの装丁展。あまり良く知らないでいたのだけど、あれもこれもこのひとなのか!という感じで、驚く。

現代アートとは何か』の続きを読み、読了。現代アートについて知るには、ゴシップとセオリーの両方が必要ということで、前半はアートワールドのゴシップ的内容について、後半はより作品内在的な話に。杉本博司さんからインスパイアされて、現代アートの本質を、インパクトをもってコンセプトを多層のレイヤーに練り込んで提示するものとする整理はわかりやすい。また、現代アートの「採点法」についても、自分で鑑賞するとっかかりになってよいと思う。

復活祭を見に、関口教会の東京カテドラル聖マリア大聖堂へ。開始の19時直前についたのだが、満席のために、座席列の左右にパイプ椅子が並べられている。神父たちが入ってきて光が灯り、まわされていく。入場の際にろうそくをもらったので、光を分けてもらえた。光の祭儀、ことばの祭儀のあと、洗礼の典礼で洗礼式が行われる。聖人が次々に召喚され、新たに信者になる人々が洗礼されていく。感動的な儀式で、自らの場合を思い出してか、泣いているひともいる。感謝の典礼が終わり、2時間半ほどの一連の流れが終了。最後、スライドに「復活おめでとうございます!」とデカデカと出てきて、ちょっと笑ってしまった。

2018年3月30日

最近、花粉症の薬のせいなのか、眠くて困る……。

ボリス・グロイス特集の「思想 2018年 04 月号 [雑誌]」を読み始める。2017年の、ボリス・グロイス日本招聘プロジェクトによる成果物のひとつ。巻頭のグロイスによる「アジテーション」からして、勢いがある。いわく、アートの独立性こそが、むしろ民主政を超えた「超民主政」なのであると。その後も、浅田彰さんとの対談(というか、あまり噛み合ってない気もするが)や論考など、とても刺激的な話が満載。読み進めるのが楽しみ。

んでもって、その浅田彰さんが帯に推薦文を書いている『現代アートとは何か』が届いたので読み始める。マーケットから始まる章立てが、アーティストに至るのが本の半分を過ぎてからという、それ自体が「現代アート」を物語っているのだろう本なのだが、取り上げる話題は浩瀚で、とても勉強になる。「キュレーター」の章など、数いるキュレーターを網羅的に取り上げるというのではまったくなく、ジャン=ユベール・マルタンとヤン・フートとを比較しつつ、感動的な物語にもなってすらいるその紹介は、「入門」にふさわしいのかどうかはともかく、めっぽう面白い。

Seascapeシリーズを作る。ギャラリーにも設置しておいた。

2018年3月29日

昨夜、途中で目が覚めたときにはだいぶ痛くなってきていたのだけど、ロキソニンを切らしていたせいで鎮痛できず、朝起きたときには立派な頭痛に。そうなると、ロキソニンを飲んでもおさまらないんだよなあ。それってなんか不思議な感じがする。多分、痛みがフィードバック機構になっていて、早いうちに薬を飲むとフィードバックが弱いうちにおさまるんだろうけど、そうでなかった場合は痛いことそのものによってさらに痛みが増して、薬が効かなくなるのだろうと思う。

朝から人間ドック。そのため、昨晩は送別会を1次会のみで切り上げたのだった。胃カメラ検査のため、病院からは20時以降は絶食と指示されているのだが、ググってみると食物が胃を通過するには、遅くとも5〜6時間程度しか要しないとのことなので、バッファを撮りすぎだと思う。実際、昨晩は22時まで飲み食いしていたけど、今日の検査の時には特になんもいわれなかったし。まあ、早めの時間を指定しておくほうがよかろうということなんだろうけど。

人間ドックが終わっても頭痛が続く。そうなるとまったく集中できないので、静養して本読み。『写真講義』を読み始める。このひとの写真に対する感覚はとても好きだなあ。現代アートとしての文脈もきっちり押さえつつ、見ていてしっくりくる美しさもある(図版がたくさんあるのもうれしい)。また、学校での講義を書籍化したものなので当たり前なんだろうけど、写真の上達方法みたいなのも、変に複雑にすることなくポイントを押さえて述べられていて、その点でもよかった。

続けて、『写真のことが全部わかる本 センス&知識ゼロからの写真のはじめかた、教えます。 (上達やくそくBOOK)』を読む。デジカメそのものについては『体系的に学ぶデジタルカメラのしくみ 第4版』を読んでいるのだが、内容が濃くて疲れるので、先にこちらをさらさら読む。各種数字の関係と、それがどういう感じになるかとか、だいたい適切な値など、知りたいことをわかりやすく教えてくれて、とてもよいと思う。しかし、そう思えるのはしくみの本を読んで原理を知っているからなのかもしれない。そうじゃないひとがいきなり読んでも、よくわからないような気もする。

2018年3月28日

終業後、会社で最年長の方の送別会。長く働いた方が仕事を終えるというのはどういう感じなのだろうかと考える。

準備していたギャラリーサイトを公開。画像のサイズがめちゃでかいのだけどまあいいかってんで放置しているが、どうにかするかなあ。これまでインスタにアップしていたものから、ちょっと選んで、かつ、ナンバーをふり直して掲載している。基本的には、これまでと同じもの。また、今後も同じシリーズで続けていくことになるだろう(シリーズ自体の増減はありそう)。