Subscribed unsubscribe Subscribe Subscribe

Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

下川裕治『週末台湾でちょっと一息』

週末台湾でちょっと一息 (朝日文庫)

週末台湾でちょっと一息 (朝日文庫)

昨年の12月に初めて訪れて、いっぺんで好きになった台湾。そろそろまた行きたいと思いが募っていたところ、刊行されたばかりのこの本を書店でみかけたので、さっそく買って読んだ。

もともと、国内と国外とを問わず旅行にまったく興味がなく、単純に面倒だからいやだと思っていた。だから、先に書いた去年の台湾訪問が35歳(当時)にして初めての海外という具合で、今時珍しいぐらい奥手だったのだけど、それが6月にはシンガポールに行って感銘を覚えるなど、個人的東南アジアブームがここ1年近く続いていることになる。

そんなだったので、その名前やたくさんの書籍を書店で見て知ってはいたが、特に興味がなくてスルーしたせいで、著者の本を読むのはこれが初めて。なんかもっとハードコアなバックパッカーみたいな感じなのかなと思って苦手意識を持っていたのだが、そういうこともなくてよかった。他の本は知らないが、少くともこの本についてはちょうどよい感じのところを紹介していて、台湾にせよシンガポールにせよ、屋台のようなところがとてもよかったし、さらにもっと台湾の人々にとっての日常っぽいところに行ってみたいので、参考になる。

去年来、台湾に関する本を何冊か読んでいて、その歴史について少しは学習してきたつもりだったのだけど、台湾省とその省都である中興新村について、この本で初めて読んだ不明を恥じた。というか、この本の説明やWikipediaの記述を見ても、台湾省の具体的なありようというのがいまいちふに落ちなくて、なんなんだこれはという感じがする(もちろん、その意味はわかるんだけど、行政組織としての輪郭がつかめないというか)。

まだ台北をちょっと見たぐらいなので、今度行く時は台南にも足を伸ばしたいと思っていたのだけど、台東で電車に乗った著者が、以下のように書いているのを見て、さらに興味がつきない。

列車に乗り込んだ。社内は学校帰りの高校生が次々に乗り込んできた。(中略)

社内を見まわし、一瞬、国が変わったのかと思った。高校生たちの顔つきが台北あたりで目にする学生と違う。フィリピンやインドネシアと同じなのだ。彼らが話す中国語と顔だちがしっくりこない。学生たちの大半は先住民族だったのだ。特急列車では出会えない世界だった。

映画「セデック・バレ」で描かれたような、日本統治下の台湾先住民族とのあれこれについて知識がまったくないではないけれども、それはさておき、知らないことを知り、見たことのないことを見たいというのは自然な感情ではあって、台東あたりも面白いのかもしれないなどと、どんどん行きたい場所が広がっていく。一度ではとうていおさまらない。