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Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

ペバボのエンジニア職位制度のアップデートについて

マネジメント

ペパボで行っているエンジニア職位制度について、最新情報を共有します。

本エントリの背景

ペパボで行っているエンジニア職位制度(シニアエンジニア、アドバンスドシニアエンジニアの選考)については、制度の運用当初に、当時の責任者であるmizzyさんがPaperboy's engineer evaluation system - Gosuke Miyashitaというエントリで紹介しています。その頃から2年半ほどが経過し、また、責任者が変わったこともあるので、あらためていまはどういう感じなのかお知らせしたいと思います。ちなみに、一般のエンジニア評価制度については、新たに運用開始した内容を、既にペパボのエンジニア評価制度をパワーアップしたでお知らせしています。

本エントリの目的

そのような、いってみれば内輪の話の共有を、ある意味わざわざ行う目的は、エンジニアとしての将来をあれこれと検討している社外のエンジニアのみなさんに対して、ペパボについて考慮の範囲に入れる材料としていただき、ひいてはよい形で入社していただくことで、ともに会社の成長を実現していきたいと考えるからです。

制度の概要

本制度をひとことでいうと、技術専門職(この場合だとエンジニア)における、上級職へのステップアップを定めたものです。その特徴としては、以下があります。

  • 全職種共通の等級から、専門上級職へのステップアップであること(シニアエンジニア、アドバンスドシニアエンジニア)
  • 誰かの任命によるのではなく、本人の立候補により選考過程が始まること
  • これまでの実績、自分を昇格させるべき理由を主張する文書をGitHubのpull requestによって提出し、全社員公開の元にプロセスが進むこと

以下に掲げる文章は、今半期の評価結果について社内向けに書いた文章のうち、完全に社内向けのものを除いたものです。


選考過程

  1. 6/6告知、6/18立候補締め切り
  2. 6/20〜6/24面談
  3. 面談に参加した技術基盤チーム各自の意見を参考にしつつ、antipopの責任において決定
  4. 6/25一次評価結果公開

このあと、6/30の経営会議において、最終決定します。

選考基準

mizzyさんのエントリにある基準に基づき評価を行いました。その際、そこで謳われている「技術力」を以下のように分解しました。

  • 作り上げる力
  • 時間の経過に耐える力
  • 影響を広げる力

作り上げる力

これは、一般に技術力といった場合に想像しやすい能力でしょう。「他の人にはない、技術的に優れた何か」を用いて、技術的に困難な問題を、素早く、確実に解決することができる、ということです。

時間の経過に耐える力

一方で、我々が作るものは、単に一度作れば済むものではなく、継続的に価値を届け続けるべきものです。つまり、ある特定の時点における線の価値のみが高いだけでは不十分です。それに加えて、時間の経過に対して積分的な面の価値を増大させる必要があります。そのためには、設計力、テストを書く能力が必要です。

影響を広げる力

さらには、上記の能力に基づいて、自分や身の回りだけではなく、エンジニアリングにおけるリーダーとして影響力を広い範囲に及ぼせることも、シニア、アドバンスドシニアには求められます。技術的には技術レイヤーの上下方向へ、プロセス的には広い範囲の人々を巻き込んでいく左右方向へ、それぞれ影響を広げていける能力です。

(社内向け文面略)

講評

先述の選考基準に基づき評価を行い、上記の通り1次評価を決定しました。基準のうち、3点とも満たしていることがもちろんよいのですが、今回、すべてにおいて文句なしというひとはいませんでした。そうした条件をすべて満たし、かつそれ以上の成果・能力・影響力を持つ人が、アドバンスドシニアということになるんだと思います。

逆に、不通過とした方々についても、それぞれにおいてもう一歩というところまできていると思います。その点、今後どうしていけばいいのかということについて、面談やコメントを通してお伝えしたつもりです。是非、また次を目指してください。

今回1次通過した人に関しては特に、シニアエンジニアとなった暁には、さらに以下についてのコミットを求めていきます。

  • 他のエンジニアをリードし、技術的な成長を支援すること
  • 社内外(特に社外)へのアウトプットをすること

シニア、アドバンスドシニアエンジニアは、役職上のリーダーとはまた異なる意味において、技術的な知見・能力に基づくリーダーシップを発揮すべき存在です。そこには年齢や社歴はまったく関係ありません。自らの成果を出すことは当たり前、その上で、他のエンジニアたちを引っ張り、成長を支援する存在となることを求めます。

また、ひとそれぞれの性格や取り組んでいる内容などによって打ち出し方は異なってくるとは思いますが、社内で影響力を及ぼしていくことは必須として、社外に対しても、活発に技術イベント等を通してプレゼンスを発揮するとか、あるいはそうしたことが苦手なひとに関しては、OSSを通してアウトプットを行う等、技術の会社としてのペパボという立場をアピールすることに貢献をもとめます。

また、いま現在シニア、アドバンスドシニアエンジニアであるみなさんについても、今回の結果と自分の能力・成果等について振り返り、いまも自分がシニア、アドバンスドシニアという職位にふさわしいかどうかを、真剣に考えてみてください。この職位は「資格」のようなものとは違います。制度の運用から2年半以上が過ぎました。今後の適正な運用と全社の成果向上のために、制度とともに個々の職位についても、適宜見直していきます。


というわけで、ペパボではこんな感じの制度を運用しながら、エンジニアがよりよく働ける環境作りを大切にしつつ、ひいてはそのことが事業の成長につながることを確信して日々やっていっています。興味のあるかたは、是非以下をご覧になっていただきますよう、お願いいたします。もちろん、僕個人に直接ご連絡くださってもかまいません。