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Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

情報価値の高いスライドを作るために

マネジメント

役職が変わったりしたこともあって、取締役会のみなさんに説明したりエンジニアのみなさんに考えを伝えたりなど、社内向けにもいろんな資料を作る必要も増えてきて、そういうのが増えること自体どうかというのはともかくとして、エンジニアとしてより活動を広げていくためには、そういう文脈における資料の作り方を身に付けるというのも、ひとつのスキルアップではあります。

これまでもかなりの量のスライドを作ってきたわけですが、そのほとんどが技術イベントで話すためのもので、それはそれでいろんな工夫をしてきたつもりではあっても、コンテキストが違うと、ただ一本調子で同じようにやってもうまくはいかないわけです。上述の通り、昨年後半以降、そういうことが増えてきて限界を感じたので、あらためてものの本を読んだりして学習してみました。

コンテキストの違い

ここでいうコンテキストとは、エンジニアだけを対象にしているというよりは「経営層やマネジメントをする人々に対して主張をアピールし、説得するためには?」ということです。コンテキスト次第で「よい」資料というのは変わってくるのは当たり前のことではありますが、ともあれそうしたコンテキストにおいては、コンサルタントには資料作りにおいて一日の長があるのは明らかですから、彼らのやりかたを学んでみました。

技術イベントでのプレゼンにおいては、扱っている内容が基本的に技術の話になるので、主張の根拠を明確に示すまでもなくはっきりしており、根本的にはコードを示せればそれでOKということが多いし、スライドの中ですべてを述べきるというよりは、詳細はGitHubにコード出してるんでそこ見てねということになるわけです。

一方で、いま述べているようなコンテキストにおいては、不確実な内容について、必ずしもオープンになっていない情報にもとづき、考えられる限りの根拠を示して説得するということになるので、やり方が異なってくるのは当たり前とはいえるでしょう。また、しゃべりで伝えるというよりは、スライドのみで理解をしてもらう必要もあるため、口頭での補足なしで内容を伝える必要もあります。

スライドに必須の内容

どの本でも確実にいわれるのは、以下の内容を必ず盛り込むということです。

  • スライドのタイトル
  • スライドの主張を簡潔に表すメッセージ
  • 主張の根拠となるデータ
  • データの出典
  • ページ番号

これをテンプレート的に図示すると、以下の通りになります。

f:id:antipop:20150421233844p:plain https://docs.google.com/presentation/d/1OxCCkfeMPyjcS4g6n40YJ3yJFVkX1zYc4hPQlG-SN4M/edit#slide=id.g770b2e5f9_0_0

ここで重要になってくるのが、どういう図表を用いるのが主張を伝えるのに効果的かということになるわけですが、それをこのエントリで述べつくすことはできませんので、後述の書籍を参考にされるとよいのではないかと思います。

実際のスライドの作例

社内向けに作ったスライドをお見せするわけにもいかないので、先日作って公開したスライドを掲載しておきます。

ただまあ、これはこれで未熟なところはたくさんあります。

  • ページ番号を書いてない(まあ、じっさいにはあんまいらないかなとも思います)
  • パソコンの画面で見る分にはよくても、実際の発表の場面では字が小さ過ぎてよくなかった

また、いくらスライドにこったところで、そもそもの主張に魅力がないと意味がないし、発表のしかたによっても受け取られ方が変わるのは当然のことです。その点に関してはまた別の話題になるでしょうので、それはそれで別途研鑽を積んでいく必要があります。

参考にした本

最近、「外資系○○の〜」みたいな本がブームになっていて、たくさん刊行されています。そういうタイトルの本を、出ている分ひと通り読んだのですが、中でも参考になったものを紹介します。

外資系コンサルの資料作成術

外資系コンサルの資料作成術

この本は、上記で述べたスライドのフォーマットについてはもちろん、スライドを作っていく際の効率的なやりかた、主張したい内容をいかに効果的に図表として表現したらいいかの類型についてわかりやすく述べられていて、とても参考になりました。類書はたくさん出ていますが、概論についてはこれ1冊でいいのではないかと思います。

図表を作るに際して、上述の本で類型はわかっても、実際の作例としてどうしたらいいのかと悩むことになります。本書は、著者が実際に作ってきた資料をもとにたくさんの実例が紹介されていて、パラパラめくってながめておくだけでも、発想の源になる本です。いい例・わるい例が併記して紹介されているものも多く、とても参考になります。

まとめ

コンテキスト次第でどういうのが「よい」資料であるかは異なります。経営層などにメッセージを伝えるというコンテキストにおいては、技術イベントで話すのとは異なり、不確実であるにも関わらず納得感のある、根拠に基づいたメッセージを発することになります。また、しゃべりで補足することができない場合もあるため、スライドのみで内容を伝えきらなければなりません。

そのため、必須の内容について盛り込んだ上で、主張内容の類型によりもっとも説得的な図表を選択する必要があります。その内容については上述の通りで、そのために参考になる本も昨今たくさん刊行されているので、是非ご覧になるとよいと思います。