Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

2019年9月21日

奄美旅行7日目。本来なら今日の昼過ぎに沖永良部島を発つはずだったのだが、昨晩には欠航が決まり、延泊決定。明日の便はもう満席なので、明後日の便に変更する手続き。振替先の便の席がないおそれもあったが無事に済ませられた上、手数料もかからずに済んでよかった。

台風は今日がピークなので、海の様子を見に行きがてら、電話したら開いているというタラソテラピー施設へ。僕は入らずに『プラスチック汚染とは何か (岩波ブックレット)』を読み、読了。島の南側は大荒れで、風も波もすごい。島の北側、それもフーチャのあたりはどうだろうと思っていってみたのだが、南側に比べればずいぶん穏やかな感じ。吹き上がるところ見たかったなー。

宿に戻って、『教養としての「ローマ史」の読み方』の続きを読んだ。イタリア語の勉強のモチベーション素材というのと、カヴァフィスを読み始めたことであらためて古代ギリシャ、ローマ史を学んでおきたいという気持ちになったというのもある。ローマ史の本、もう少しあれこれ読み進めてみたい。

夜は、宿のテレヴィ受像機でラグビーワールドカップのニュージーランドと南アフリカの試合を観る。お楽しみのハカは、よく見る「カマテ」ではなく「カパオパンゴ」。南アフリカ戦ということで、気合が違う感じ。試合の方も、後半は南アフリカがペナルティで自滅してしまうまではかなり緊張感があって、見ごたえがあったなあ。

ピークをやや過ぎた台風による風の音を聴きつつビールを飲み、『カヴァフィス全詩』を読む。

2019年9月20日

奄美旅行6日目。昼から、沖永良部島ケイビング協会のガイドさんによる洞窟探検ツアー。初めてのひと向けのコースということで「リムストーンケイブ」へ。台風による増水を心配していたのだが、ガイドさんはわりと余裕な様子。そんならだいじょうぶだろうと、やや安心。車を止め、少し歩いた畑の脇からジャングルに入っていき、しばらく歩くと洞窟の入口。テンション上がる。

やはりそこそこ増水はしていて、水は濁っていて全然底が見えない。普段はほぼ透明とのことなのでちと残念だが、しかたがない。思いのほか水につかりながらの移動。景色は物珍しいし鍾乳石はきれい、ではあるのだが、すべりやすいし水音がざーざーいっていてガイドさんの声もあまり聞こえないので、あんまり周りを観るどころじゃなかったり。ところどころで写真をとってもらったり、ライトアップした様子を見せてもらったり。

この協会の方々も講師として指導を受けたという吉田勝次さんの『洞窟ばか』、『素晴らしき洞窟探検の世界 (ちくま新書)』を読んで洞窟探検に興味を持ち、一度行ってみたかったのだが、今回いけてよかった。指向性の強いヘッドライトをつけているので、眼を向けている方向以外は真っ暗。あとからふりかえると、最初に通ったすぐそばに脇道があったのに、行きは前を向くのに精一杯でそのことに気づかない。視点のちょっとしたズレがもたらす現実認識の大きな差異。地上でも同じことだろう。

祖母宅によって、祖父の本を3冊ほどピックアップ。宿に寄ってシャワーを浴びた後、また知名に戻って、先日お宅にお邪魔した石田先生主催の酔庵塾の会合へ。石田先生の沖永良部の10年間での学びについてと、食についてのお話。石田先生のお話は、これまでのサマリをざっとしれてよかった。食については、石田先生の話を受けて、依存型から自立型の経済にするためには、食料自給率を上げていく必要があり、ではどうやって実現するかという議論の話題提供という感じ。

沖永良部の域際収支では、400億円の生産に対して、240億円ほどが域外への支出となっている。その多くを占めるのが食料。現状の沖永良部の食料自給率は10%強。域外収支の改善のためには、自給率を上げていこうという話。ただ、単に自給率を問題にしているのではなく、自立型経済にしていくには、島内での経済循環の拡大が必須であり、そのことが島の産業の育成、雇用の創出、文化的な魅力向上につながり、若者が島に戻ってきたり、観光客の増加につながるという主張。

方向性として、基本的にその通りであると思う。一方で、自給率をあげるためには品目の多様化、土壌の悉皆調査、計画的な作付け割り当て、需要予測と安定供給などなど必要なことがたくさんある。さらには、島内での流通が農家にとって経済合理的である必要もある。島外に売るほうが儲かるなら、わざわざ島で売ることはないし、全体にとって合理的だからといって、売れる作物をやめてまで自給率の上がるものを作ったりもしない。そのへん、どうしていけばいいのだろうなーと考えたりした。

宿に戻って、石田先生にいただいた『光り輝く未来が、沖永良部島にあった! - 物質文明や金融資本主義社会はもう限界です - (ワニブックスPLUS新書)』を読む。経済成長については考えを異にするのだが、それ以外については納得的なところが多い。

昨日の日記にも書いたが、自分のやっていること、やりたいことを、もっと社会的なレイヤにおけるコンセプチュアルなこととして考え、表現できるようにしていかなければならないと思っている。これまで、そういうレイヤに対して結果的にデタッチメントしていたということもあって、ややうまく考えられないところがある。そのため、今後は積極的に社会的なコミットメントと実践をしていきたいと思っている。

2019年9月19日

奄美旅行5日目。台風17号が発生し、おそらく当初予定していた明後日21日には帰れなさそうな見込みになってきた。旅程の変更について、各所に相談。

うちの母、 Kとの3人で島めぐり。とはいえ天気もあまりよくないので、思うようにはいかないが。まずは、沖永良部をベースにさまざまな活動をされている石田秀輝先生のお宅にうかがう。急な連絡にも関わらず快くお迎えいただき、いろいろとお話をうかがえた。明らかに人物が大きいという印象を覚える。

そこから、近くの昇竜洞へ。小学生の頃ぶりだから、もう30年ぶりとかだなあ。けっこう憶えているものだなあ。出口の喫茶店で昼食。雨が降ったりやんだりしている中、田皆岬、半崎、世之主の墓、世之主神社をめぐる。懐かしい感じ。いったん宿に戻ってから、親戚が集まってお祝いしてくださる。

昼頃、僕も理事のひとりとして設立するCTO協会について、日経xTECHと日経産業新聞に記事がリリースされていたのを観た。ITに対する社会的な軽視がかなり深刻な状況をもたらしている昨今だが、そういうことに対して少しでもよくできるようなこともできればよいなあと思う。

自分のやっていることを、もっと社会的なレイヤにおけるコンセプトと、その具体的実践として語れるように整備していく必要があると思っている。同じ業界で前提が理解可能な状況だとコンセプチュアルな話をしやすいのだが、そうでないと難しいので、なにをやっているのかといわれて、適当に話してしまう。そういうのはよくないよなあと思っていたのだが、石田先生と話をしていて、もっと頭使って考えないとなあと気付かされた。

2019年9月18日

奄美旅行4日目。今日は、朝から沖永良部へ移動。僕が住んでいた頃にはなかったように思うが、徳之島を経由して沖永良部へ行くという航空便。正確には、経由といっても乗り継ぎという形であるようで、座席は同じなのに、一度降ろされて保安検査場を再通過させられる。よくわからない体験。

以前にちょっとだけ来たのは10年半ぶり、複数日滞在してあちこちまわるという意味ではもうだいぶひさしぶりな沖永良部。奄美大島とは景色も全然違う。フーチャや日本一のガジュマル、笠石海岸などをまわり、コチンダホテルへ。東ホテルが新たに作った建物で、ちょっと琉球風の、昔の沖永良部の屋敷のような感じ。建物を囲む土塁もあったりして、けっこうこっている。

夕方は、母の実家へ夕食をいただきに行く。祖母は痴呆症がだいぶ進んで、受け答えはもうできない様子。前に会ったときは元気だったんだけどなあ。

2019年9月17日

奄美旅行3日目。まずは奄美パークの田中一村記念美術館へ。できたばかりの頃にきたことがあったのだが、あらためて、この美術館の建築はとても素晴らしいと思う。収蔵作品についても、特に奄美以前の時代のものに面白いものが多くあり、一村の仕事を紹介する上で啓発的。近年、『評伝 田中一村』が刊行されたり、長谷川祐子さんのキュレーションでルーブル美術館で一村作品が使われたり等、再び注目を集めているところなので、この美術館にも多くの人が訪れるとよいと思う。

昼食は、鶏飯を食べに「ひさ倉」へ。追加で、鳥刺しも。旨い。少し時間があったので、安木屋場のカトリック教会を眺めに行く。途中の瀬留の協会とともに、かわいらしい姿。安木屋場の、ソテツの山に囲まれた風のふきさらす高台から海を眺めて、ここで信仰を持ちつつ暮らした人々のことを少し思ったりした。

宿に帰って、定例会議のため、しばしテレカン。

さらに夕食は「万屋」で。ここにはよく食べにきていたなあ。ウニ丼はやっぱり不漁でなかったので、海鮮丼と伊勢海老汁定食。さらにアマダイの唐揚げとサザエのつぼ焼き。旨い。宿に戻って、バーのテラスで飲み。適当にスパークリングワインをもらって飲む。新婚旅行で来ているというカップルがいて、スタッフの方がお祝いに「よいすら節」を唄うということで、ご相伴にあずかった。

2019年9月16日

奄美旅行2日目。古仁屋へ向かう。「てやん」にいってみたのだがしまっていたので、古仁屋港の漁師小屋みたいなノリのところで海鮮丼を食べる。少し街を散歩した後、船底から懐中を望める船「せと」に乗って、海を観る。決して巨大なサンゴ礁というわけではないものの、色や形が多様でよかったなあ。こういう船に乗るの、初めてな気がする。しかし、海中を眺める時間は15分でひとり2,500円はいい値段するなあという感じではある(別に悪いことではない)。

奄美市方面に戻り、マングローブパークへ。マングローブの中をカヌーで散策するというアクティビティ。16時からの回だったのだが、ちょうど潮が満ち始めてきたというあたりで、流れも緩やかだし水量も多くなってきて、いい感じ。カヌーは、最初はとまどったが、慣れてくるとうまいこと操作できるようになってきた。マングローブは、歩いてみたことはあるが、川からの景色は初めてで、南国感高い。

名瀬でおじさん、いとこらと夕食。いろいろ話をする。

昨晩は食事会もあるので市内で宿を取ったのだが、今日からは芦徳の「ネストアット奄美ビーチヴィラ」へ。近年、あのあたりはいい感じのリゾートホテルがたくさんできているようで、そのうちのひとつ。なんか、バリとかそういうところの宿泊施設のようだ。ビールとワインを飲みつつ、『[asin:B07XHJMLQV:title]』を読む。

2019年9月15日

まだKを連れて行ってなかったので、奄美旅行へ。今日が1日目。

15時前に着いて、あやまる岬を少し観た後、母を迎えに空港へ戻り、市内へ。まずおじさんの家により、父、祖父母の仏壇に手を合わせる。さらにお墓参りも軽く済ませて、「なつかしゃ家」へ。親戚が始めたお店なのだが、自分の知っている奄美料理というよりは、かなり豪華にバージョンアップさせたような感じ。食事には大叔母、叔父2人の家族らが15名ほど集まってくれてありがたい。

終わった後、奄美で唯一というシーシャを出している店を見つけたので、そちらへ。

2019年9月14日

レクチャー・シリーズ「多文化社会におけるアートのチカラ」の第3回目に参加するために、東京芸大の北千住キャンパスへ。移民の子どもたちの教育について。教育の文脈においては、移民とひとくちにいっても、国籍の問題だけではなく、子供には日本国籍があっても親が日本語をあまり話せなくて教育が行き届かないみたいなこともあるし、また、2015年以降、移民の若年層はどんどん増加していて、教育は喫緊の課題。

いくつかレクチャーがあったのち、このイベントの主催者であるイミグレーション・ミュージアム・東京を主宰する岩井成昭氏による「Journey to be continued -続きゆく旅-」。多様なアイデンティティの声、無自覚に同化を迫る教員、ラストの「希望」によるディストピアの塗りつぶしなど、かなり引っかかりの多いドキュメンタリーで、見ごたえがあったなあ。自分が最近考えているところともつながる話。

六本木でシーシャ。『はじめてのイタリア語 (講談社現代新書)』と『イタリア語のしくみ《新版》』を読み終える。そこからフランス語に以降しようと思ったのだったが、せっかくここまでやったのだし、もう少しイタリア語をやろうかなあ。