Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

2020年1月3日

起きて、日記を書いたりFacebookに年始の挨拶を書いたりなど。その後、North Villageへでかけ、「精神看護 2020年 1月号 座談会 ロビンソン・クルーソーは無人島で誰に最初に出会うのか 統合失調症から自閉症へ 特集 患者さんと医療者の意向が異なる時のコミュニケーション技法LEAP」を読む。先日目を通した座談会も再読したのだが、あらためて得るところがいろいろあった。類似的他者という概念は面白い。いわく、自閉症の人々も、そうした他者ならば社会的関係を取り結ぶことがあり得ると。そういうことは、自分の観測範囲においてもあるような気もしている。人間の基底としての自閉症的なあり方としてドゥルーズを読むこともまた、理論的な可能性のあることだと思える。その他、Listen-Empathy-Acknowledge-Partner=LEAPという実践についての解説も面白い。さらに、吉田健一『旅の時間 (講談社文芸文庫)』の続きを読む。

スーパーで食材とワインを買って帰宅。ラ・スピネッタのシャルドネ。旨い。食事と合わせて飲むはずが、Kを待ちながら仕事始めの書き物をしたり、写真について昨日から考えていたことをまとめてたりしているうちに、くいくい飲んでしまう。

広角で高精細に撮られた風景写真をうっとりと眺めながら写真によってしかなし得ないこのような細部の写り込みをどのように扱えばよいのだろうかと考えながらたとえば絵画のような形式にはあり得ないいつかたまたま見いだされるかもしれない細部に時間が畳み込まれるように凝縮されているさまを見ているのだ。そのような写真は写真家が意図するかどうかに関わらず否応なく記録的価値をはらんでしまいそのことはいまここでそれを観ているわたくしに対してもっとあとで観るならばより大きな印象を与えるかもしれないという未来への無限後退を強いることもまたありえアートとしての現在的な価値を毀損しかねない。

録音された自分の声を聴く者が一度は感じる「自分はこんな声をしていない」という驚きは録音機の持つ音響的現実と自意識との乖離から発生するのだが写真にもまた光学的現実と自意識との懸隔がありたとえばセルフィーを撮るものは何度も撮り直すことでその懸隔に対して折り合いをつけようと試みる。マイブリッジやマレーの写真が示した光学的現実を自意識に対する身体性としての視覚的無意識ととらえ自足的な自意識を内破する契機と評価するロザリンド・クラウスのようにあるいはもっと奔放なロラン・バルトのようにプンクトゥムを見出してまわることで写ってしまう現実から可能性を引き出すこと。

片手で持ったコンパクトカメラで撮りまくったスナップショットであっても三脚を使って入念に構図を作って丁寧に撮られた一枚であっても撮影環境がどうあれよくわからないものが必ず写り込んでしまい記録的価値を孕んでしまう写真の制約を未来の価値を現在に畳み込む装置としてとらえるとどうだろうか。しかしそうした記録的価値はアートといかなる関係を持つのかと自問するといくつかの考えが思い浮かんできてたとえばアートであるかどうかはどうでもいいという投げやりなのもあればそこに何を見出すかという撮影者と鑑賞者の無意識のぶつかりあいに可能性を見出すという穏当な回答が出てきもする。あるいは絵画に倣って全面的に画像に手を入れ書き換えてしまう少なくとも書き換えを完遂したのだという意思を持つことを試みるようなピクトリアリズム的な信念を表明することもできるだろうし写ってしまう現実を隅から隅まで構成しきってしまうモダニズムや杉本博司的超絶技巧を極めることもできる。

そのいずれにしたって写真が過去という時間をパッキングするものであるという通念に反して否応なく写ってしまうイメージがいつか見いだされるかもしれないしされないかもしれない潜在性の充実としての未来をこそいまここに畳み込む装置であるとみなすことに写真という形式の可能性を見出したい思う。そんなことをあれこれと考えながら都市のコンポジションを写真によって読んでいくことやその行為があるいはいつか誰かにとっての視覚的無意識なりプンクトゥムとなって未来からの刺激を感得することにつながるかもしれないことへ賭ける跳躍としていまはただある日の一枚をそっと差し出しておけばよい。

そんなことをしていたらエアコンの風で喉が傷んできてヤバい。といってる間にKが帰ってきて食材を持ってきたので、料理。ブリを焼いたもの、カツオの藁焼き、豚汁で夕食。その後、『視覚的無意識』を読む。

2020年1月2日

お昼頃起床。『地形の思想史 (角川書店単行本)』の続きを読む。

東京都写真美術館へ。展覧会を3つ観る。まずは「中野正貴写真展「東京」。この方のことは、ずっと前にTOKYO NOBODYと、そのメイキングみたいな映像を何かで観た時に知ったのだと思うけれども、その時に西麻布あたりを写した写真が、一番記憶に残っている。このような街を高精細に撮る写真は、写真家が意図したかどうかを問わず、記録的な価値を必ずはらんでしまう。そのことは、写真がアートであることにとって本意なのか不本意なのか、みたいなことを考えてしまう(以下、中野さんの写真そのものとは必ずしも関係のない話)。

写真が、ある時点における時間と空間を光学的現実としてパッキングするものであることにのみ価値を置くとしたら、そうした写真を観ることは不可能になってしまう。なぜなら、その時点と現在との懸隔の大きさに比例して記録的価値が高まるのならば、いま見るよりも常にあとに見るほうがよいことになってしまうからだ。しかし、我々は写真をそのようなものだとは認識していない。だからいま観覧できるわけだが、ではその時に我々は何によって無限の入れ子を断ち切っているのだろうか。それを可能にするのがアートとしての現在的な価値なのか、単なる無知による蛮勇なのか。

山沢栄子 私の現代」、まずはWhat I Am Doingのシリーズに圧倒される。70-80歳代に制作されたとはにわかには信じがたい、複雑な構成と手遊び的な遊戯性の両立、圧倒的なかっこよさ。その後、展覧会は過去作や影響を受けた人々の作品などの紹介へと続くのだが、そちらの方は特に感銘を覚えず。「至近距離の宇宙 日本の新進作家 vol.16」は、時間がなくてほんとに通り過ぎるぐらいでしか観られなかったのだが、濱田祐史・八木良太両氏の作品に心惹かれた。濱田さんは、PGIで個展をやっているようなので、今度いってみよう。

浅草へ。Kの家族と大成苑で夕食。昨年はこちらのお肉をとってもらってKの実家で食べたのだったが、店舗の方に来るのは初めて。いまどきもう珍しい昭和感あふれるお店。そして、やっぱり肉はとても美味しい。いまどきの上品なものとは違ってがっつりした感じなのだが、柔らかくてジューシー。また来たいなあ。その後、しばらくテレビを観たり。NHKの筋肉についての番組を観ながらストレッチをする。また筋トレをちゃんとやり始めたので、今年はもっとしゅっと体を絞りたいなあと思う。帰宅して、地形の思想史 (角川書店単行本)』を読み終える。

2020年1月1日

朝6時半頃に起きて、セルリアンタワーへ。ニューイヤー駅伝の応援ツアーに参加するのである。バスに乗って群馬へ。今年から弊グループの陸上部が駅伝に出るようになり、その応援。群馬って初めて行くので、そういう意味でも楽しみ。ポイントをバスで移動しながら、応援してまわる。初出場で初優勝をねらっていたのだが、結果は5位。しかし、めちゃすごいことだよなあ。選手の皆さん、お疲れさまでした。駅伝を見る楽しみを新たに得られて、自分としてもよかったと思う。

バスで高崎まで行き、そこから新幹線で帰る。指定席が2時間ぐらい先までうまっていてどうしたものか……と途方に暮れたのだが、上野まで40分程度で着くようなので、自由席の切符を買って、立つ。久々に新幹線で座れずに立って移動するということをした。いやなものだなあ。立ちながら、『地形の思想史 (角川書店単行本)』を読む。タイトルから想像した内容とは異なり、やはり著者らしく近代・現代の裏面史と皇室の動きをからめた内容。ダークツーリズムの案内としても読める。面白い。

上野に着いて、タクシーでKの実家へ。お正月の挨拶にうかがう。既にみなさんおそろいでおまたせしてしまった。おせちなどをいただき、ヴーヴ・クリコや阿部勘などお酒もたくさん飲み、お腹いっぱい。どれもめちゃ美味しかったなあ。Kの姪っ子は、観るたびに新しいアクションや言葉を覚えており、その年頃の子どもは面白いものだなあと思う。しかし、僕のことを怖がって近寄ろうとしないというのは、もう会うようになって1年ぐらい経つのだが、変わらないのだった。

この日記をnoteに移し、かつ、有料購読すると読めるようにしようと思ったのだったが、宮台先生のインタビューを読んで考えを改め、普通にここで好き勝手書いたらいいじゃんという気持ちになったので、そうすることにした。あと、慣れないせいなのかわからないが、noteのUIが想定しているのだろうメンタルモデルが全然理解できなくて困ったというのもある。年末から2回試みて、月またぎで1,000円を浪費してしまった。

今年の抱負をどうしようかなあと思っているところ。だいたい方針みたいなのや、具体的なタスクみたいなのはあるのだが、そういうのを書いてもなあという気もするし、そもそも抱負みたいなのを立ててなんかよかったことがないというのもあり、いったん捨て置いてもいいのかもしれないとも思う。方針というのは、これまで自分の考えや能力にしばりをかけて動いていた感じがするので、もっと自由に好きなように能力を発揮して生きていくのがいいのではないかみたいな感じ。

2019年に読んだ本

2019年は169冊読んだようだ(参照: kentarokさんが2019年に読んだ作品 - ブクログ)。昨年末ぐらいから、本ばかり読むのをやめてもっと別のことをやろうと思っていたのだが、結局、例年に比べると少ないとはいえ、そこそこの数を読んでいたのであった。

f:id:antipop:20191231231709p:plainkentarokさんが2019年に読んだ作品 - ブクログ

以下、ブクログで★5つをつけた本を紹介する。

福田和也『俗ニ生キ俗ニ死スベシ 俗生歳時記』

この本は、刊行当初に買って読んで、それから折に触れて何度も繰り返し読んでいる。福田和也さんからは大きな影響を受けた。

俗ニ生キ俗ニ死スベシ 俗生歳時記

俗ニ生キ俗ニ死スベシ 俗生歳時記

  • 作者:福田 和也
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2003/04
  • メディア: 単行本

君塚直隆『ヨーロッパ近代史』

まったく記憶にないのだが、読んだ時は感銘を覚えたようだ。

ヨーロッパ近代史 (ちくま新書)

ヨーロッパ近代史 (ちくま新書)

  • 作者:君塚 直隆
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2019/01/08
  • メディア: 新書

埼玉県立近代美術館『インポッシブル・アーキテクチャー』

素晴らしい展覧会だった!不可能な企てをこそ、もっと打ち出していく必要があろうと思う。

インポッシブル・アーキテクチャー

インポッシブル・アーキテクチャー

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2019/02/08
  • メディア: 大型本

宇多丸『ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門』

宇多丸さんにはいつもひたすら驚かされる。めちゃくちゃおもしろいおしゃべり。

ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門

ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門

小林信彦『天才伝説 横山やすし』

唐突に横山やすしさんにハマって、YouTubeで動画を観たり、本を読んだりしていた。もう現れないタイプの人間。

天才伝説 横山やすし (文春文庫)

天才伝説 横山やすし (文春文庫)

  • 作者:小林 信彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2001/01/10
  • メディア: 文庫

内田鋼一『知られざる 萬古焼の世界』

万古焼の素晴らしさもさることながら、戦時中の統制陶器についての紹介に驚いた。

知られざる 萬古焼の世界: 創意工夫から生まれたオリジナリティ

知られざる 萬古焼の世界: 創意工夫から生まれたオリジナリティ

  • 作者:内田 鋼一
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2015/11/18
  • メディア: 単行本

トマス・カスリス『インティマシーあるいはインテグリティー』

リチャード・ローティにおける「トロツキーと野生の蘭」とともに、バイモーダルなあり方への導き。

インティマシーあるいはインテグリティー (叢書・ウニベルシタス)

インティマシーあるいはインテグリティー (叢書・ウニベルシタス)

  • 作者:トマス・カスリス
  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 2016/07/29
  • メディア: 単行本

石田英敬・東浩紀『新記号論』

次から次へと面白すぎる話が出てきて、ひたすらに興奮させられた。

新記号論 脳とメディアが出会うとき (ゲンロン叢書)

新記号論 脳とメディアが出会うとき (ゲンロン叢書)

今和泉隆行『「地図感覚」から都市を読み解く』

これを読んで、地図の見方が一変した。

「地図感覚」から都市を読み解く: 新しい地図の読み方

「地図感覚」から都市を読み解く: 新しい地図の読み方

  • 作者:今和泉 隆行
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2019/03/14
  • メディア: 単行本

中沢新一『増補改訂 アースダイバー』

名著の増補改訂版。改訂の間に失われてしまった場所ももうでてきた。一番好きな街歩き本。

増補改訂 アースダイバー

増補改訂 アースダイバー

  • 作者:中沢 新一,大森 克己
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/03/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

渡邊淳司他『情報環世界』

情報システムと環世界というテーマは自分の研究テーマの根幹。HCIなども含め、そういう観点が今後もっと重要になるだろう。

都留泰作『ナチュン』

上記の本で紹介されていた漫画。昨年宮古島にいったりしたこともあり、面白く読めた。

E・M・フィリップス『博士号のとり方[第6版]』

そろそろちゃんと自分の研究もやろうと思って。

働きながらでも博士号はとれる

働きながらでも博士号はとれる

  • 作者:都丸 孝之
  • 出版社/メーカー: 研究社
  • 発売日: 2015/02/20
  • メディア: Kindle版

近藤克則『研究の育て方』

同上。

研究の育て方: ゴールとプロセスの「見える化」

研究の育て方: ゴールとプロセスの「見える化」

  • 作者:近藤 克則
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2018/10/22
  • メディア: 単行本

劉慈欣『三体』

圧倒的なホラ話。SFはやっぱこうでなくては。

三体

三体

  • 作者:劉 慈欣
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2019/07/04
  • メディア: ハードカバー

藤井保文他『アフターデジタル』

中国の最新事情を、うまくフレームワーク化して整理していて、とても良い本だと思う。

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

三浦哲哉『食べたくなる本』

著者の食への態度にめちゃくちゃ共感する。

食べたくなる本

食べたくなる本

  • 作者:三浦 哲哉
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2019/02/22
  • メディア: 単行本

稲垣栄洋『雑草はなぜそこに生えているのか』

雑草というものへのイメージを鮮やかに覆される。人生に対する示唆もある。

雑草はなぜそこに生えているのか (ちくまプリマー新書)

雑草はなぜそこに生えているのか (ちくまプリマー新書)

  • 作者:稲垣 栄洋
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/01/10
  • メディア: 新書

須賀敦子『須賀敦子全集 第1巻』

須賀敦子の本をなかなかまとめて読む機会を持っていなかったのだが、ようやく。

須賀敦子全集 第1巻 (河出文庫)

須賀敦子全集 第1巻 (河出文庫)

  • 作者:須賀 敦子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2006/10/05
  • メディア: 文庫

北山晋吾『Kubernetes実践ガイド』

Kubernetesについての、網羅的にまとまった良書。

Kubernetes実践ガイド クラウドネイティブアプリケーションを支える技術 (impress top gear)

Kubernetes実践ガイド クラウドネイティブアプリケーションを支える技術 (impress top gear)

  • 作者:北山 晋吾,早川 博
  • 出版社/メーカー: インプレス
  • 発売日: 2019/07/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

伊藤亜紗『記憶する体』

著者の一貫したテーマである、身体との付き合い方について探求する本。入院中にこの本の内容をよく思い出した。

記憶する体

記憶する体

  • 作者:伊藤 亜紗
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2019/09/18
  • メディア: 単行本

ヤマザキマリ『国境のない生き方』

ヤマザキマリさんは本当に面白いひとだなあ。

国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (小学館新書)

国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (小学館新書)

  • 作者:ヤマザキ マリ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2015/04/01
  • メディア: 新書

D.O『悪党の詩』

ラッパー的なふかしもD.Oさんにかかるとめちゃくちゃおもしろい。事件の時のシビアさがリアルでヤバい。

悪党の詩

悪党の詩

  • 作者:D.O
  • 出版社/メーカー: 彩図社
  • 発売日: 2019/09/30
  • メディア: 単行本

秋草俊一郎他『世界文学アンソロジー』

面白小説がたくさん。もっといろんな小説を読みたい。

世界文学アンソロジー: いまからはじめる

世界文学アンソロジー: いまからはじめる

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 三省堂
  • 発売日: 2019/07/19
  • メディア: 単行本

池澤夏樹訳『カヴァフィス全詩』

ロラン・バルトのモロッコに続き、カヴァフィスのアレキサンドリアに思いを馳せた。

カヴァフィス全詩

カヴァフィス全詩

  • 作者:カヴァフィス
  • 出版社/メーカー: 書肆山田
  • 発売日: 2018/10/01
  • メディア: 単行本

四方田犬彦『詩の約束』

四方田犬彦さんの圧倒的な生産性にひたすら驚かされた。詩との再開をもたらしてくれた本。

詩の約束

詩の約束

  • 作者:四方田 犬彦
  • 出版社/メーカー: 作品社
  • 発売日: 2018/10/20
  • メディア: 単行本

前川修『イメージを逆撫でする』

最新の写真理論の流れについて教えられた。写真の見方、写真論への理解が一変した。

イメージを逆撫でする: 写真論講義 理論編

イメージを逆撫でする: 写真論講義 理論編

  • 作者:前川 修
  • 出版社/メーカー: 東京大学出版会
  • 発売日: 2019/08/16
  • メディア: 単行本

落合陽一『2030年の世界地図帳』

これから自分がやっていくべきことについても大きな示唆を得た。便利本。必読。

2030年の世界地図帳  あたらしい経済とSDGs、未来への展望

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

  • 作者:落合 陽一
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2019/11/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

平倉圭『かたちは思考する』

芸術作品がかたちづくられていく過程についての、綿密かつ大胆な読み。トンネル掘削についての記録写真集の読みは圧倒的。

かたちは思考する: 芸術制作の分析

かたちは思考する: 芸術制作の分析

  • 作者:平倉 圭
  • 出版社/メーカー: 東京大学出版会
  • 発売日: 2019/09/28
  • メディア: 単行本

青木保『エドワード・ホッパー』

理想的な老年の書物。ため息がでる。

エドワード・ホッパー ―静寂と距離―

エドワード・ホッパー ―静寂と距離―

  • 作者:青木保
  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売日: 2019/11/22
  • メディア: 単行本

入沢康夫『わが出雲・わが鎮魂』

はちゃめちゃにかっこいい詩集。こういう詩を書くようになりたい。出雲に行きたい。

わが出雲・わが鎮魂 (思潮ライブラリー 名著名詩集復刻)

わが出雲・わが鎮魂 (思潮ライブラリー 名著名詩集復刻)

  • 作者:入沢 康夫
  • 出版社/メーカー: 思潮社
  • 発売日: 2004/07
  • メディア: 単行本

坂口恭平『まとまらない人』

ひとつのことに熱中できない性分なのだが、それでもいいじゃんと勇気づけられた本。

まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平

まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平

  • 作者:坂口 恭平
  • 出版社/メーカー: リトル・モア
  • 発売日: 2019/11/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

『ゲンロン10』

面白い対談・鼎談が満載で、「ゲンロン」の新たなスタートに大いに期待が持てる。

ゲンロン10

ゲンロン10

  • 作者:東 浩紀
  • 出版社/メーカー: 株式会社ゲンロン
  • 発売日: 2019/09/26
  • メディア: 単行本

藤井啓祐『驚異の量子コンピュータ』

量子コンピュータについて、非常にわかりやすく説明してくれていて、とても勉強になった。

驚異の量子コンピュータ: 宇宙最強マシンへの挑戦 (岩波科学ライブラリー)

驚異の量子コンピュータ: 宇宙最強マシンへの挑戦 (岩波科学ライブラリー)

  • 作者:藤井 啓祐
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: 単行本

テッド・チャン『息吹』

どの作品も驚くべきアイディアとディテール、「人間とは何か?」と考え込まされる傑作集。10年待った甲斐があった。

息吹

息吹

  • 作者:テッド・チャン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: 単行本

桑島智輝『我我』

気の抜けたような、日常的な安達祐実さんの姿にハッとさせられまくり。

我我

我我

打林俊『写真の物語』

写真史のみならず、隣接する技術士・美術史への目配りもよくきいている良書。説明もわかりやすい。

写真の物語──イメージ・メイキングの400年史

写真の物語──イメージ・メイキングの400年史

  • 作者:打林 俊
  • 出版社/メーカー: 森話社
  • 発売日: 2019/07/24
  • メディア: 単行本

2019年のふりかえり

2019年をふりかえる。といっても、なんかふりかえりをする気力がない感じ。

blog.kentarok.org blog.kentarok.org

今年は公私ともにうまくいかなかった。仕事面では、年初の目標を全然達成できなかったし、私生活では旅行先でもらった感染症により入院した。2019年はいったんしゃがむことによって力をつけたのだというふうに考えたいところだ。

よいこともないことはなくて、5月に結婚したり、入院して8kgほど痩せたので維持のために3ヶ月お酒を断ったりなどということがあった。

2019年12月31日

吉田健一『旅の時間 (講談社文芸文庫)』の続きを読む。年賀状を出しに郵便局へ行き、遅い昼食。その後、North Villageへ行き、『エンジェル投資家とは何か(新潮新書)』を読む。帰宅して年越し蕎麦を作って食べる。さらに、ワインを飲みながら、Kが紅白を観ている横でブログを書く。今年は、ふりかえりエントリをまともに書く気力もない。来年がんばろう。

2019年12月30日

昼頃に起きる。吉田健一『旅の時間 (講談社文芸文庫)』を読み始める。いま読んでみると、このひとは突然何をいってるんだろう?という、現代的な感覚からいうと全然共感されなさそうな考えがさも自然なことであるかのように地の文で語られたり、登場人物の会話がやたらと浮世離れしたりしているのが面白く、日本の古い小説を読んでいるというよりは、考え方の境界を揺さぶられる感じで、現代アート作品を見ているかのようだ。North Villageへ行き、そこでも続きを読む。

帰り道に、書店で『22世紀の荒川修作+マドリン・ギンズ  ──天命反転する経験と身体』を、エノテカでドイツのリースリングの白ワインを買う。帰宅して、夕食を作る。長ネギが大量にあるので、焼いたり、ネギソースにしたりなどして、4本ぐらい使った。ネギは美味しいなあ。ご飯を食べた後に思い出して、買ってきたワインを飲む。家でこうして飲むのは、3ヶ月以上ぶり。そろそろお酒を飲むのを復活しようと思っているのだが、お酒といってもワインだけ飲むようにすれば、あんまり飲みすぎない気もするし、ワインをばかばか飲むだけな気もする。

ふと思い立って、ホームページいじり。昨年、同僚のK君とスマホで撮った写真をアップする「吐写物」というフォトグラファー小レクティヴをやっていたのだが、これからは「制作」の時代ということで、その活動を感嘆に紹介するページを作った。その他、この日記をnoteに移して定期購読しないと見られないようにしようと思ってやりはじめたのだが、設定がめんどくさくなって途中でやめた。

2019年12月29日

昨夜遅くまで本を読んでいたので、昼前まで寝ていた。起きてしばらくしたら、プリンターが配送されてきた。さっそくセットアップしたり、試し刷りしたりしてみる。スマホからもWi-Fi経由ですぐに印刷できるし、簡単なもんだなあ。しかし、プリンターを買うなんて何年ぶりだろうか……。というか、プリンターを自分のお金で買ったことがこれまでにあったかどうかすらも定かでない。写真プリント用ハガキへのテスト印刷も終えたので、Kに引き渡してでかける。

会社にMacBook Proを忘れてしまっていたので取りにいった後、チルインへ。『成城だより-付・作家の日記 (中公文庫)』に収められている、1958年頃の「作家の日記」を読む。こっちは、著者が49歳頃の日記で、『成城だより』と比べると元気といえば元気出し、攻撃的で気難しそうな感じがする。日常的に付き合ってるのが今日出海、獅子文六、吉田健一などなどで、時代を感じるなあ。文壇って感じ。こういう世界があったということに、遠い昔の歴史を見るような思いを感じる。

リニューアルした渋谷PARCOへ。入店したときこそ、エスカレーターがやや混んでいたが、きいていたほどひとで溢れているという感じでもなく、やや落ち着いたのだろうか。しかし、6階の任天堂のコーナーはものすごい人だかり。6階だけ明らかに空気が悪くなっている。そのあたりはあまり興味もないので、一度もっと上の階の見晴らしのよい場所に出てみた後、各階をぐるぐる回りながら降りていく。入っているブランドはよいものばかりだし、取り組みも気合が入っていて素晴らしい。非常な感嘆を覚える。Wanderlustという、宇川直宏さんらのグループ展を覗いてみた。KOHHさんが出展している「作品」は、あまりにも適当過ぎておかしい。1階のPORTERのお店で、ちょうどGRIIIにぴったりのベルトにかけるケースがあったので、購入。

交差点横の蔦屋書店に寄ってしばし本を物色。さっきのPARCOの熱気に当てられて、ユースカルチャー的な雑誌を眺めてみたり。全然知らない世界なのだが、こうやってかっこいい人々がどんどん出てきて活躍しているんだなあ、自分などは思いもつかないような自由な考え方で楽しんでいるんだろうなあなどと思って、酷く老化したような気持ちになったりした。頼もしいことだなあ。

帰宅して、夕食を作る。昨日、母から山形屋の焼豚セットが送られてきたので、それを使ってチャーハンを作る。ご飯がやや水っぽくなってしまって、ちょっとべちゃっとしてしまう。その後、A4の写真用紙を使って、これまでに撮った写真から適当に選択して10枚ほど印刷してみる。思ったような感じにならないのもあれば、思いのほかいいものもある。とりあえずクリアブックに入れておいて、機会があったら展示してみることにしよう。

『成城だより』を読んだり、最近また写真に気が向いてきたりしていて、これからはもうちょっと何か「制作」していくということを意識的にやっていこうという気持ちになっているところ。特になんか根拠があるわけじゃないが、来年はいろんな意味で転換点になる年になるという気がしていて、自分自身の取り組みの方向性も、もっと広げていくほうがいいような気がする。それがなんなのかはよくわからないが、たとえば小説を書くとかそういうのもいいのかもしれないと思う。

日付けを回った頃に、ジムへ。もう10日ほど行けてないので、夜中だけどでかけていって、上半身をがっつりやる。久々ではあるけど、懸垂の回数がこなせるようになってたりして、成長を感じる。しかしやっぱり腕への負担が大きく、思うように背中などに入らない。種目を工夫していい感じになるよう試行錯誤してみる。

ワークアウトしながらちゃんみなさんを聴いていたのだが、あらためて圧倒的な才能だなあと感服。スター性が半端ない。音楽でいうと、最近はNulbarichの2ND GALAXYや、KOJOEのJoe's Blvdなどを繰り返し聴いている感じ。Nulbarichは、Suchmosっぽいといえばぽいのだけど、なんかもっとセクシーな感じ。KOJOEはひたすらかっこいい。

2019年12月28日

買ってしばらくおいてあった打林俊『写真の物語──イメージ・メイキングの400年史』を読み始める。技術史や美術史への目配りも周到。午後から、先日平間至さんに撮っていただいた写真を使ってKが年賀状を作るというので、プリンターを買いに渋谷へ。その前に、丸善ジュンク堂書店へ寄って、『成城だより-付・作家の日記 (中公文庫)』、『成城だよりⅡ (中公文庫)』、『成城だよりIII (中公文庫)』、『図説 写真小史 (ちくま学芸文庫)』、『柳田国男を読む (ちくま学芸文庫)』、『東北学 忘れられた東北 (講談社学術文庫)』を買う。そこから近くのNorth Villageへ行き、写真本の続きを読み、読了。写真創世記、ピクトリアリズム、モダニズムという大きな流れ。

駅前のビックカメラへ行き、店員さんと相談した結果、EPSONのEP-50Vという機種を買う。店頭価格4.5万ほどの、A3ノビ対応の6色プリンタ。どうせなら、撮った写真も印刷してみたいと思って、ちょっと奮発。よりいいものを求めるともうちょっと押す必要がありそうだったが、そっちは馬鹿でかくて場所を取るので、今回買ったものがちょうどいい塩梅だろうと思う。店頭に在庫がなく、明日の昼頃に配送するという。その他、写真プリント用のハガキサイズの用紙や、A4の写真プリント用紙などを買う。

帰宅して、夕食を作る。うーん、なんかうまくいかなかったなあ。最近、ご飯をいまいちいい感じに作れない。集中力に欠けてるのだろうというのと、具材のキリ方、味付け、火入れへの気の遣い方が足りないのだろうと思う。もうちょっと気を張ってやんないとなあ。あと、いつも日本の家庭料理みたいなのばかりなので、もう少しバリエーションを増やさないとなあと思ってもいるのであった。その辺も、意識してやるようにしよう。

成城だより-付・作家の日記 (中公文庫)』を読み始める。昔、高橋源一郎さんが激賞していたのを読んだものの、読む機械がいままでなかったのだったが、中公文庫で3巻本として復刊されていたのに行き当たったので、いい機会かと思って買ったのだった。結果、いま読むのにちょうどいい塩梅。若い頃に読んでも、よくわかんなかっただろうなあ。とはいえ、いまだってあんまりよくわからないが。ただ、当時は新しいタイプの老人という感じだっただろうけど、いまはこういうひとは多くいそうだも思う。

2019年12月27日

朝、2時間ちょっとの睡眠で起床、バスに時間ギリギリで間に合った。横浜から猿島へ。ここは夏にバーベキューにきたのだが、とてもよいところ。社員旅行の事務局のみなさんが企画してくれて、脱出ゲームに興じる。初めて体験したのだが、面白いものだなあ。頭が回らなくて、というか多分ふだんの状態であっても、難しくて全然わからない。チームメンバーがどんどん解いてくれて助かる。自分だけだったら、全然だめだっただろうなあ。脱出はできたが、お宝はもらえなかった。

島を出て横浜へ戻り、中華街へ。揚州飯店で昼食。それから40分ほど時間があったので中華街を一回りして、揚げ餅やタピオカミルクティーに興じたり、肉まんとちまきをおみやげに買ったり。山下公園に集合して解散。今年も楽しい社員旅行だったなあ。いつもお世話してくれるみなさんに感謝。帰りのバスでは、J君からあれこれと技術やサービスでの取り組みの話を聴く。面白い。来年は、これまでとは異なる取り組みをやっていかないと。

帰宅して、簡単に夕食を作り、ちまきも食べる。その後、届いていた『DUMB TYPE 1984 2019』を眺める。先日、東京都現代美術館で行われている個展にも行ってきたのだが、あらためてこのグループのやってきたことのすごさを感じる。