Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

2019年9月20日

奄美旅行6日目。昼から、沖永良部島ケイビング協会のガイドさんによる洞窟探検ツアー。初めてのひと向けのコースということで「リムストーンケイブ」へ。台風による増水を心配していたのだが、ガイドさんはわりと余裕な様子。そんならだいじょうぶだろうと、やや安心。車を止め、少し歩いた畑の脇からジャングルに入っていき、しばらく歩くと洞窟の入口。テンション上がる。

やはりそこそこ増水はしていて、水は濁っていて全然底が見えない。普段はほぼ透明とのことなのでちと残念だが、しかたがない。思いのほか水につかりながらの移動。景色は物珍しいし鍾乳石はきれい、ではあるのだが、すべりやすいし水音がざーざーいっていてガイドさんの声もあまり聞こえないので、あんまり周りを観るどころじゃなかったり。ところどころで写真をとってもらったり、ライトアップした様子を見せてもらったり。

この協会の方々も講師として指導を受けたという吉田勝次さんの『洞窟ばか』、『素晴らしき洞窟探検の世界 (ちくま新書)』を読んで洞窟探検に興味を持ち、一度行ってみたかったのだが、今回いけてよかった。指向性の強いヘッドライトをつけているので、眼を向けている方向以外は真っ暗。あとからふりかえると、最初に通ったすぐそばに脇道があったのに、行きは前を向くのに精一杯でそのことに気づかない。視点のちょっとしたズレがもたらす現実認識の大きな差異。地上でも同じことだろう。

祖母宅によって、祖父の本を3冊ほどピックアップ。宿に寄ってシャワーを浴びた後、また知名に戻って、先日お宅にお邪魔した石田先生主催の酔庵塾の会合へ。石田先生の沖永良部の10年間での学びについてと、食についてのお話。石田先生のお話は、これまでのサマリをざっとしれてよかった。食については、石田先生の話を受けて、依存型から自立型の経済にするためには、食料自給率を上げていく必要があり、ではどうやって実現するかという議論の話題提供という感じ。

沖永良部の域際収支では、400億円の生産に対して、240億円ほどが域外への支出となっている。その多くを占めるのが食料。現状の沖永良部の食料自給率は10%強。域外収支の改善のためには、自給率を上げていこうという話。ただ、単に自給率を問題にしているのではなく、自立型経済にしていくには、島内での経済循環の拡大が必須であり、そのことが島の産業の育成、雇用の創出、文化的な魅力向上につながり、若者が島に戻ってきたり、観光客の増加につながるという主張。

方向性として、基本的にその通りであると思う。一方で、自給率をあげるためには品目の多様化、土壌の悉皆調査、計画的な作付け割り当て、需要予測と安定供給などなど必要なことがたくさんある。さらには、島内での流通が農家にとって経済合理的である必要もある。島外に売るほうが儲かるなら、わざわざ島で売ることはないし、全体にとって合理的だからといって、売れる作物をやめてまで自給率の上がるものを作ったりもしない。そのへん、どうしていけばいいのだろうなーと考えたりした。

宿に戻って、石田先生にいただいた『光り輝く未来が、沖永良部島にあった! - 物質文明や金融資本主義社会はもう限界です - (ワニブックスPLUS新書)』を読む。経済成長については考えを異にするのだが、それ以外については納得的なところが多い。

昨日の日記にも書いたが、自分のやっていること、やりたいことを、もっと社会的なレイヤにおけるコンセプチュアルなこととして考え、表現できるようにしていかなければならないと思っている。これまで、そういうレイヤに対して結果的にデタッチメントしていたということもあって、ややうまく考えられないところがある。そのため、今後は積極的に社会的なコミットメントと実践をしていきたいと思っている。